症状
骨粗しょう症で一番問題となるのは、転倒やくしゃみなどのわずかな衝撃でも骨折しやすくなることです。骨粗しょう症それ自体では自覚症状はほとんどありません。
体のなかでどの部分の骨が折れやすいかは年齢によって変わってきますが、特に重要なのは脊椎の骨の主要部である椎体 (ついたい)と大腿骨 (太ももの骨) 近位部の骨折です。椎体を骨折すると、背骨が変形して背中が丸く盛り上がった状態になります。このような背骨の変形が起こると、首や肩、腕、腰、呼吸器、消化器など体のあちこちに多様な症状が現れます。また、大腿骨近位部の骨折は寝たきりの原因として脳血管障害に次いで多く、その20%の方は骨折後1年で亡くなるともいわれています。
その他の部位の骨折でも、活動性が低下し、運動不足になりがちです。運動不足によりますます骨が弱くなることがあるため注意が必要です。
検査・診断
生活習慣や食生活に関する問診と測定機器を用いた骨密度の測定を行います。
当クリニックでは骨評価や骨密度測定の検査には、手指の骨量をX線にて測定するDIP法を行っています。
(腰椎と大腿骨近位部の2つの部位を測定するDXA法を希望される場合は、提携病院を紹介させて頂きます。)
この他、血液検査や尿検査による骨代謝マーカーの測定も行っています。
治療
骨粗しょう症の治療は、食事や運動といった生活習慣の改善と内服薬や注射薬などの薬剤治療が中心となります。
骨密度を低下させない食事として重要な栄養素はカルシウム・ビタミンD・タンパク質です。特にカルシウムはビタミンDと一緒に摂ることで吸収されやすくなります。